Javaでは基本データ型(プリミティブ型)があり、それぞれのデータ型により扱えるデータの種類や範囲が決められています。今回の記事では基本データ型の使い方について説明します。
基本データ型とは?
基本データ型とは、プログラム内で使用されるデータのうち、数値や文字など、最も基本的なデータの種類を扱うことができるデータ型のことを指します。
Javaでは、以下の4つのカテゴリで基本データ型が提供されています。
- 整数型:整数を扱うためのデータ型
- 浮動小数点型:小数を扱うためのデータ型
- 文字型:1つの文字を扱うためのデータ型
- 真偽値型:trueまたはfalseの論理値を扱うデータ型
これらのデータ型を使うことで、プログラム中で効率よくデータを管理することができます。
基本データ型の種類
データ型 | 説明 | 範囲 | 例 |
boolean | 真(true)か偽(false)の2つの値のみを扱うためのデータ型です。条件分岐などに使用します。 | true または false | true or false |
char | 1文字を扱うためのデータ型です。1つの文字や数字をシングルクオーテーション(’)で囲んで使用します。 | – | ‘A’、’B’、’1’、’あ’ |
int | 少数を含まない整数を扱うための基本的なデータ型です。計算やカウンタに使われることが多いです。 | -2147483648~2147483647 | 0、1、500、-10 |
double | 少数点を含む値を扱うためのデータ型です。より精度の高い数値計算が必要な場合に使われます。 | 64ビット倍精度小数点 | 3.14、-99.9、100.0 |
float | 少数点を含む値を扱うデータ型ですが、doubleに比べて精度が低く、メモリ消費が少ないです。 | 32ビット単精度小数点 | 3.14f、-99.9f、100.0f |
byte | 小さな整数値を扱うデータ型です。範囲が狭いので、大きなデータが不要な場合やメモリの節約に使われます。 | -128~127 | 125 |
short | intよりも小さい範囲の整数を扱いますが、byteよりは広い範囲の値を扱えます。 | -32768~32767 | |
long | 非常に大きな整数値を扱うためのデータ型です。intでは足りない大規模な数値を扱う際に使われます。 | -9,223,372,036,854,775,808~9,223,372,036,854,775,807 | 10000000000L、-500000L |
String | 複数の文字を連結した文字列を扱います。ダブルクオーテーション(”)で囲んで使用し、文章や名前などに使います。 | – | “ABC”、”あいうえお” |
コード例
基本データ型のコード例を紹介します。こちらは各基本データ型を定義して、それぞれの変数に値を代入し表示する例になります。
Java
public class DataTypeExample {
public static void main(String[] args) {
// 整数型
byte b = 100; // 8ビット
short s = 10000; // 16ビット
int i = 100000; // 32ビット
long l = 100000000L; // 64ビット (Lを付けて明示)
// 浮動小数点型
float f = 10.5f; // 32ビット (fを付けて明示)
double d = 20.99; // 64ビット
// 文字型
char c = 'A'; // 16ビット (1文字のみ)
// 真偽値型
boolean bool = true; // trueまたはfalse
// それぞれの変数を出力
System.out.println("byte型: " + b);
System.out.println("short型: " + s);
System.out.println("int型: " + i);
System.out.println("long型: " + l);
System.out.println("float型: " + f);
System.out.println("double型: " + d);
System.out.println("char型: " + c);
System.out.println("boolean型: " + bool);
}
}
出力結果
Java
byte型: 100
short型: 10000
int型: 100000
long型: 100000000
float型: 10.5
double型: 20.99
char型: A
boolean型: true
まとめ
- boolean:「真か偽」のどちらかを持つだけなので条件判定などでよく使います。
- char:1文字のみで数字でもアルファベットでも特殊文字でも扱える点が特徴です。
- int:整数のみを扱うため、精度が必要ない場合や、メモリ消費を抑えたい場合に使用します。
- double:精度の高い計算を行う場合、特に物理演算や金融計算などで使用されます。
- float
:
double
より精度は低いが、メモリ消費を抑えたい場合に使われます。 - byte:範囲が狭いため、色データなど小さなデータを扱う場合に利用されます。
- short
:
int
よりもメモリ消費を抑えたいが、byte
では範囲が足りない場合に使用します。 - long
:
int
では扱えない非常に大きな数値を扱う際に使われます。 - String:複数の文字を連結したもので、文章や名前、その他のテキストデータに利用されます。
以上基本データ型についてでした。それぞれ使用したい用途によって使う場面が異なるので、適切に使えるように心がけていきましょう。